第42巻:猫は吉良吉影が好きの巻
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庭先に埋めた猫から生えた花
<感想>
追ってくる足あとはあっさり撃退。
舞台は吉良(カメユー社員・連続殺人鬼)の新しい家。顔を変え別人として生活する吉良には、妻と暗い息子が一人いた。ある日、地下室で死んだ不思議な猫を庭に埋めると、そこから半猫半植物の不思議な生命体が花開く。それは空気を自在に操るスタンドを持った花だった。
吉良は家族に内緒で屋根裏部屋でそれを飼うことにしたが、息子に見つかってしまう。ついでに自分が本当の父親ではないことも嗅ぎつけられてしまうのだった。
まあとにかくこの半猫半植物が不気味で可愛い。『スーパーマリオブラザーズ』のパクパクする花みたいな奴に目がついていると思えばだいたい想像通りかと思います。あーゲームボーイミクロほしー。
思うに、なんか「あとでどうとでも収集つけられるからとりあえず面白いアイディアを思いついたら全部詰め込んじゃおうか」という楽観的な方針で突き進んでるような気がします。まあ描いている立場からすれば、毎週毎週〆切がやってくる中でここまで勢いよく読ませる物を描いているわけだから、それはもう尊敬を通り越して絶句してしまう。正直読みにくくて仕方なかった前半とは明らかに違うドライヴ感を感じます。
平成5~6年頃の作品。
<第42巻の名言>
「何だ……? この吉良吉影…ひょっとして 今この女の事を心配したのか?(中略)何だ…この気持ちは…」(p118、吉良吉影)
吉良が家庭を持ち、不本意ながらも徐々に人の心を持ち始めているところも見どころです。