第21巻:脚がグンバツの女の巻
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○そういえばディオの話はどうなった?
<第21巻によせて>
「グンバツ」っていうの、なんか打ち込むだけでものすごい抵抗感を感じました。21世紀には存在してはいけない言葉だ。グンバツ。
というわけで一行はカイロからナイル川沿いに南下してルクソールへ。
そういえば、エジプトは、別れる前の父と母が最後の旅行に行った土地である。
当時僕は小学生だったのでよくは分からないが、おそらく、その頃から父には他に女がいたのだろう。とかく家には寄り付いていなかったから。そんな父を旅行に誘おうという母も、健気というか無謀というか。しかもなぜエジプトなんて国を選んでしまったのだろう。謎めいているが、そういう母なのだ。
当然のように、父と母は、関係をこれまで以上にこじらせて帰国した。その後、数ヶ月、「エジプト旅行において父がいかにひどい仕打ちをしたのか」が寝物語になっていたことを覚えている。写真を撮ろうとしないだとか、気分が悪くなったのに自分ひとりで見学に行ったとか、他のツアー客とばかり仲良くするだとか、まあそんなありがちの話だ。数ヶ月の間、寝る前に再放送が繰り返された。
おかげで、今でもアブシンベル神殿を見ると父のことを思い出すようになったから、まあそれはそれで感謝すべきことなのかもしれない。
<第21巻の名言>
「まっ まて 見捨てないで カニさん!」(p145、アヌビス神)
カニさん……。