20051030
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女の子が去って行ったあとの部屋の居心地の悪さが、とても好きだ。無意識にできていたことがひとつもできなくなって、椅子に座るのにも冷蔵庫を開けるのにも独り言をつぶやくにも意識を集中させないといけなくなって、結局すべてがわざとらしくなってしまうあの感じ。昔、芝居をしてた頃、「では今から身の回りの物を使って即興で一人芝居をしてください、はい、はじめ!」みたいな訓練があったけど、そう、まったくもってあんな感じだ。
そうやって自然さを装って、ただただぎこちなくて、でも、ただただぎこちなく吸う煙草の一服が、とても好きだ。
時々、あの煙草がまた吸いたくて、無性に女の子と別れたくなる。なかなかそんな都合よくはいかないのだけれど。